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フランスでの毎日の暮らしを綴っています。料理やお菓子作りや自然が大好き。天然酵母パンも時々焼いています。


by cihir
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六ヶ所村再処理工場 2

jeudi, le 2em aout, 2012 その2
「六ヶ所村再処理工場 ・再処理による世界汚染」小出裕章氏


●以下、内容書き出しはみんな楽しくHappy♡がいい♪より転載させていただきました。
千葉:
先週、先々週と、このコーナーで
青森県六ケ所村の再処理工場が普通に稼働しただけで、事故など起こさなくても、
すごい量の放射性物資値を環境に出してしまうというという事についてお伺いしましたけれども、
これについてさらにリスナーの方から質問がきています。
岩手県奥州市にお住まいの方です。

六ヶ所村処理場で年間33京ベクレルという、
途方もない量の放射能を放出しているという話で驚いたんですが、
これは去年の福島原発事故で問題になったベントによる放射性物質の大気中への放出とは違うんでしょうか?
どこからどんな形で放射性物質を出してしまうんですか?

という質問なんですが、

小出:
はい。
ベントとは全く関係ありません。
33京ベクレルというその数字は、クリプトン85という放射性物質についての値です。
そのクリプトン85というのは、私たちが希ガスと呼ぶ一群の元素群に属していまして、
完全なガス体なのです。

原子力発電所に存在している時には、
燃料棒という金属のパイプの中に閉じ込められた状態でクリプトン85も存在しています。
だから、まあ、原子力発電所から外に出てくるということは基本的には無いのです。
ただ、金属は時々割れたり穴があいたりしていますので、
原子力発電所でもわずかではあるけれども出てきてしまうという、そういうものです。

しかし再処理工場は、先週も聞いていただきましたが、
ウランが燃えて出来た核分裂生成物。
そしてプルトニウムというものが燃え残りのウランと一緒に、
ペレットという形で存在しているのですが、
その中からプルトニウムだけを分離するという作業であるために、
ペレットを金属の被覆管というパイプの中から、とにかく取り出さなくてはいけないのです。
ですから一番初めに金属のパイプというものをブチブチにちょん切ってしまうんですね。
そうするとクリプトン85というのは完全なガス体ですから、
もうその段階で、外に吹き出してしまうということになります。

千葉:ハーーーーー

小出:
そしてガス体ですので、基本的には閉じ込めることができませんので、
そのまま外に捨ててしまうという事をやっています。

千葉:
その再処理という事の最初の過程で、もう環境に出てきてしまうんですか?

小出:
そうです。
もう出してしまう事を予定して出しているのです。

千葉:
でも、小出さん、先週ですね、
これを取り去ることができ方法があるっていうふうにおっしゃっていましたよね。

小出:
そうです。
被覆管をちょん切った段階でクリプトンというガスが出てきてしまうのですが、
それを零下153度までそこの空気を冷やすことができれば、クリプトンは液体になりますので、
その段階で捕まえることができます。
ただしそれをやるためにはお金がかかるという事で、
六ヶ所再処理工場はクリプトンを全量外に捨てるということにしてしまいました。

千葉:
イギリスとかフランスとか、外国にも再処理工場があると聞くんですけれども、
こういったところでは、どんな風にしているんですか?

小出:
クリプトン85に関しては基本的に全て同じです。
どこの再処理工場でもすべて環境に出してしまうということになっていまして、
地球上の大気はもうすでにクリプトン85で全世界が汚されてしまっています。

千葉:
クリプトン85に限らずですね、イギリスやフランスの再処理工場でも
いろんな放射性物質がでていると思うんですが、稼働しているんですもんね。

小出:はい

千葉:
たとえばその工場の周りでは、何か変化が起きていたりはしないんですか?

小出:
たとえば日本の原子力発電所の使用済み燃料というのは、
これまで日本の国内に再処理工場がなかったが為に、
イギリスのウインズケイル、最近はセラフィールドと呼ばれていますが、
その再処理工場と、フランスのラ・アーグという再処理工場に送っていました。
で、再処理をしてもらってきていたのです。

たとえばイギリスのウインズケイル再処理工場では、
これまでの運転の間に、広島原爆400発分に相当するセシウム137を
アイリッシュ海という海に流しました。

平常運転です。
事故でも何でもなくて。


千葉:
えっ!普通に運転しているだけで、
それだけのセシウムを海に流してしまっていると!?

小出:
そうです。
福島第一原子力発電所の事故で、大気中に漏れてきたセシウム137は
日本政府によると168発分だと言っているのですが、
私は多分それよりも2倍から3倍多い、まあ、400発分位はあると思っています。
それと同じだけのセシウム137をイギリスのウインズケイル再処理工場は、
平常運転としてアイリッシュ海に流してきました。

千葉:
事故ではなくて、もう普通に運転しているだけでそれだけの物を流すという音ですか...


小出:そうです。

近藤伸二:
小出さん、この、
先程、クリプトン85ですね、除去するにはマイナス153度までですか?冷やすという話なんですが、
これはコストだけの問題なんですか?
技術的にはもう確立されているんですか?

小出:はい
その技術は日本の政府が、確か160億円だったと私は思うのですが、
それだけのお金を投入して、技術開発を進めてきました。
そして出来るというとこまで分かったのです。
しかし、それをやるにはまずお金がかかるし、
仮にクリプトン85を液体にして捕まえたとしても、
何時までもずーーっと閉じ込めておくことにまた困難が伴うということで、
そんな事なら初めから出してしまえということになってしまいました。

千葉:
あの・・「出してしまえ」という事なんですけれども、
クリプトン85というのは、生物の体にはいったいどんな風な形で影響を及ぼす恐れがあるんですか?

小出:
クリプトン85は完全なガス体ですので、
たとえば私が呼吸で肺に取り込んだとしても、
肺の組織と何の反応もしないで、また呼吸で外に出てしまう。
そういう性質のものなのです。
ですから、身体に蓄積することもありません。
そしてごくごく弱いベータ線しか出しませんので、
被ばくという意味ではあまり重要ではないとこれまで考えられてきました。

しかし、全地球の大気がクリプトンで汚されてしまっていますので、
これから全地球、70億人という人々が、
クリプトン85に被ばくをしていってしまうという事を考えると、
無視していいものとは私は思いません。

千葉:
ん・・・
再処理工場からはクリプトン以外にも、いろいろな放射性物質が出ると思うんですけれども、
その再処理工場の周りの人の健康になにか影響が出たりとかはしないんですか?
イギリスやフランスの場合。

小出:
たとえば先程聞いていただいたイギリスのウインズケイル再処理工場の周辺では、
子どもの白血病が増えているという事が統計的に明らかになっています。
では、その統計的に明らかになった白血病が、
本当に再処理工場からの放射能の影響なのかどうなのかということで、
いまだに論争が続いています。

千葉:
でもそういう形で、たとえば子どもの白血病が増えているという事実はある訳ですもんね

小出:そうです。

千葉:
たとえば、じゃあそこに対して、
イギリスやフランスという国は、何かしら対策を取ったりとかですね、
えー、ちょっと、原子力の利用を考え直そうみたいな動きっていうのは無いんですかね?

小出:
アイリッシュ海というのは、
イギリスのグレートブリテン島と、アイルランド島との間にある内海なんですね。
日本で言えば日本海のような海なのですが、
そこに膨大な放射性物質を流してきたがために、
アイリッシュ海で取れる海産物は、全てもう汚れているのです。
そのため、アイルランド政府や議会は、
もう毎年のようにウインズケイル再処理工場の停止を求めてきています。
しかし、イギリスという国は再処理をするという事で、ま、お金儲けをしてきたというそういう国ですので、
なかなか停止に踏み込まないまま今日になってしまっいました。

千葉:
あぁぁぁぁ・・・
何とも云えん状態なんですが、もうひとつ。すみません、
あの、再処理工場なんですけれども、
再処理するための使用済み核燃料が沢山集まっているとおもうんですけれども、
もし大地震が起きた場合に、これを冷やすことができなくなって、
大事故が起こる可能性があったりとかはしないんですか?

小出:
もちろんあるのです。
使用済み燃料といえども、放射性物質がある限りは発熱をしていますので、
いついかなる時も冷やしておかなければいけないという事で、プールに沈めてある訳ですし、
プールは常に循環しながら冷却をしなければいけないという、そういうものなのです。
ですからたとえば、電源が無くなって冷却できなくなってしまいますと、
プールの水の温度がどんどん、どんどん上がってきてしまうという事になります。
現在の東京電力福島第一原子力発電所の4号機の使用済み燃料プールでも、
同じような事が時々起きて問題になるわけですけれども、
再処理工場というのは遥かに大量の使用済み燃料をプールにいれてありますので、
もし事故が起きたら大変なことになります。


近藤:
小出さん、あのー、
原発に関していろんな規制があると思うんですけれども、
再処理工場に対しても、これは基本的に原発と同じような規制があるという事なんですか?

小出:
えっと、基本的には同じなのですが、特殊事情がいくつもあります。
たとえば、原子力施設の場合には周辺に放射性物質を捨てる、
たとえば気体で捨てたり液体で捨てる時には「濃度規制」を受けるのが日本の法律で決まっています。
でも、原子力発電所の場合には、たとえば液体の場合には、
いわゆる原子炉を冷やすために大量の海水を敷地に引き込んで、
またそれを海に流すという事をやっているのですね。
たとえば100万kwという原子力発電所で言えば、
1秒間に70トンの海水を引き込んで、
その温度を7度上げてまた海へ戻すというふうなことをやっているわけで、
原子力発電所ができるとそこに巨大な河が出来るという、そういう施設なのです。
ですから仮に濃度規制があったとしても、
どんな放射性物質でもその大河に流してしまえば捨てることが出来るという、そういうものでした。

しかし、再処理工場の場合には、そんな大河はありませんので、
放射能を薄めて捨てるという事が、再処理工場の場合には出来ないことになりました。
そこでどうしたか?というと、
再処理工場に関しては濃度規制を外してしまうという事にしました。

たとえばトリチウムという放射性物質があるのですが、
そのトリチウムを原子力発電所が受けている法律にのっとって捨てようとすると、
毎日100万トンの水がいるという、そういう事になってしまいました。
そのため濃度規制を外して、海へながーい放水管を敷いてですね、
沖合何キロというところで、海底から放出すると、
そうすると「海は広いぜ大きいぜ」という事で薄まってしまうからいいんだよという、
そういう規制の仕方にしました。


千葉:
そういう問題じゃないと思うんですけどね、
はぁー・・分かりました小出先生どうもありがとうございました。




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by cihir | 2012-08-03 02:51